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人事労務の法律教室-131
~法定休日に跨る勤務における残業代の考え方~

当社は土曜日及び日曜日の週休2日制で、日曜日を法定休日としていますが、一部の社員が緊急を要する仕事で土曜日に出勤し、日を跨ぎ日曜日の深夜3時まで働きました。この場合、日曜日の深夜3時までは土曜日の労働の残業代としてよいのでしょうか?

労働基準法上、労働時間は原則として、「1日8時間、週40時間」と定められています。変形労働時間制などを採用している場合を除き、その時間を超える労働時間に対しては割増賃金を支払わなければなりません。

この場合の1日は「午前0時から午後12時」までの暦日をいいます。しかし、前日の労働が深夜業に至りそのまま午後12時を超えるような場合、午後12時を超える部分の労働が翌日の労働となるか否かについては、行政通達(昭63.1.1基発第1号)で「…1日とは、午前0時から午後12時までの暦日をいうものであり、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の1日の労働とするものであること」としています。つまり、労働時間が日を跨いで翌日に及んでも、始業日の属する前日の労働時間からの継続となります。よって、当該業務終了までは始業時刻の属する日の労働となり、それに基づき割増賃金を支払わなければなりません。

したがって、始業時刻の属する日の労働時間が法定労働時間(8時間)を超える場合には、当該労働に対して1時間につき2割5分以上の割増賃金を支払い、原則として午後10時以降午後12時を跨いで午前5時までの労働に対しては深夜労働として、1時間につきさらに2割5分以上の割増賃金を加算しなければなりません。 なお、深夜を跨いだ翌日が所定労働日であった場合で、前日からの労働が翌日の始業時刻を超える場合においては、翌日の始業時刻までが前日からの継続勤務となり、翌日の始業時刻を超える労働は翌日の労働時間となります。したがって、翌日の始業時刻前までは前日の労働として割増賃金の支払い義務がありますが、翌日の始業時刻以降の労働は翌日の労働となり割増賃金の支払い義務はないことになります。

ところが、翌日が法定休日の場合は取扱いが異なります。この点については、行政通達(平6.5.31基発第331号)で「法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働となる。したがって、法定休日の前日の勤務が延長され法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても、法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払いを要する休日労働となる」としています。つまり、法定休日前の労働は午後12時までの労働とし、午後12時を超える労働については法定休日労働として取り扱わなければならないということになります。 したがって、前日の労働で法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働については、1時間につき2割5分以上、午後10時以降午後12時までの労働に対しては深夜業としてさらに2割5分以上の割増賃金を加算して支払い、午後12時を超える労働に対しては別途に法定休日出勤として3割5分以上の割増賃金に深夜業として2割5分以上の率を加算し、計6割以上の割増賃金を支払わなければなりません。

この会社は、土曜日が所定休日で日曜日が法定休日です。1日8時間労働として、土曜日の出勤が40時間超えの労働となる場合は、1時間につき2割5分以上の割増賃金、午後10時から午後12時までは深夜業としてさらに2割5分以上を加算し、午後12時を跨いで午前3時までの労働時間は法定休日労働に深夜業に係る労働として6割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないことになります。

○今月のポイント!
  • 所定労働日の日を跨ぐ労働は、翌日の始業時刻までは前日の労働の1継続勤務として残業代を計算するが、翌日が法定休日の場合は午後12時以降は法定休日労働かつ深夜業(午前5時まで)の割増率で計算した割増賃金を支払う。
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